お知らせ・コラム

郭公

床の間に和漢朗詠集 夏 の許渾の詩から「一声山鳥曙雲外」「萬點幽草中」が掛かっています、蛍や郭公の季節になりました。

和漢朗詠集の夏の項には

橘花 ほととぎす はなたちばなに かをとめて なくはむかしの人やこひしき 貫之

郭公 一声山鳥曙雲外 万点水蛍秋草中  許渾

さつきやみ おぼつかなきを ほととぎす なくなるこえの いとどはるけき 明日香皇子

ゆきやらで 山路くらしつ ほととぎす いまひとこえの きかまほしさに 公忠

さよふけて ねざめざりせば ほととぎす 人づてにこそ きくべかりけれ 壬生忠見

が書いてあり、郭公一色ですね。

郭公、皆様はなんと読まれますか?カッコウと読まれる方が多かったりしますが、ホトトギスとも読みます。何かで現代は「カッコウ」と「ホトトギス」の読み方があるけれど、古典の世界では「ほととぎす」としか読まない!と読んだことがあります。

確かに「カッコウ」も「ホトトギス」も同じカッコウ目カッコウ科、托卵するところも同じですが鳴き方が違います「カッコウ」は「カッコー」「ホトトギス」は「てっぺんかけたか」とか、主人曰く(平塚だけ?(笑))「てっぺんはげたか」とか鳴きます(地方によって言い方は違うんでしょうね)。

静嘉堂文庫のインスタに乾山の角皿が出ていました、五月の角皿に定家詠花鳥和歌(後仁和寺宮 道助法親王の花鳥の絵に定家が詠進した和歌24首) 五月盧橘、水鶏の項の和歌

盧橘「ほととぎす なくやさ月の 宿がほに かならずにほふ 軒のたちばな」

水鶏「槙木のとを たたく水鶏の 明ほのに ひとやあやめの のきのうつり香」

が書いてありました。ここにもほととぎすがいます。

この定家詠歌花鳥和歌は、光起、探幽、乾山、光琳、抱一、狩野派の方々が絵や和歌を描かれています、色々な美術館、博物館に作品が有るようです。

お香の世界でも、山路香という組香があって、「ゆきやらで 山路くらしつ ほととぎす いま一聲の きかまほしさに」(公忠)の和歌から来ていると聞いたことがあります。

ほととぎすは沢山の異名を持っていて有名どころは「霍公鳥」「時鳥」「早苗鳥」「杜鵑」「子規」「不如帰」ですが、この頃に咲く花から「菖蒲鳥」「橘鳥」「卯月鳥」

中国の故事から

「しでの田長」「蜀魂」「杜宇」「田鵑」

他にも「無常鳥」「勧農鳥」「夕影鳥」「黄昏鳥」「妹背鳥」「うなゐ鳥」「魂迎鳥」「沓手鳥」等

それぞれにお話があるようです。

ほととぎす、昔から慕われていた鳥だったのですね。山の方に行って鳴き声を聞いて来ましょう。

宗香

 

 

 

 

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