誠之庵のヒオウギが祇園祭終了と共にお花が終わって実になり始めています。温暖化で地球がおかしくなっているのに健気だなぁ!と感心しています。
檜扇の実の中には黒い種が入っていて、種の事を「射干玉、烏玉、烏珠、(ぬばたま、むばたま)」と言います。真っ黒なので黒い物の枕詞になっていて、黒髪、黒、夜、夢とかの枕詞ですので、多くの歌が何となく寂しかったり、ちょっと艶かしかったりするような気がします。ぬばたまのような私の黒髪が霜に濡れるまであなたを待っています!とか、逢うことができないけど夜の夢に出てきてね!とか夜が更けて寂しいなぁ!みたいな歌があって、何となく寂しくなります。
稽古の折に「学生時代古文とか眠かったなぁ!もっと恋愛にこじつけたりして面白くお話ししてくださったらきょうみが持てたのに」と言っていたら国語の先生をなさっている社中が「工夫してるんですけどねぇ!興味を持ってくれないとなかなかねぇ」と嘆いていらっしゃいました、確かにその頃は何の興味も無かったな!と反省しました。孫1号の名言?「古文とかよく分からないのよね!私、現代人で現代を生きてるからなぁ、いとおかし!とか言われても。。。。」
誠之庵の湿し灰は作り終えました。これで炉の時期は安心です。淡交社さんの湿し灰講座も終わりました。うちでは番茶を使って湿し灰を作りますが、丁子を使われたり色々で、何が違うのか?って質問がありますが、出来上がった湿し灰の香りが少し違う程度かな?要するに落ち着いた色がつけば良いのです。
ちょうど良く湿した灰を10目程度の篩で篩いますが、う〜〜ん、三分の一落ちるかなぁ?位の湿り具合で篩うとコロコロと球体の湿し灰ができ、球体ですから結構湿っていても灰匙から自然にコロコロと落ちてくれます。そうそう、灰は炎天下で乾かしますが、篩うのは日陰で大丈夫(炎天下は危険です)ですよ、篩ったらなるべく早く入れ物に入れて乾かないようにしてくださいね。
参加者の方から多かった質問
「その篩に残った灰をゴシゴシ押しちゃいけないんですか?」「ゴシゴシ押すと球体にはならないので灰匙から落ちてくれませんね!」
「炉壇の中には湿し灰を入れるのですか?」「炉壇の中の灰は湿し灰だと炉壇が痛んじゃうし、折角苦労して作った湿し灰を見えない所に入れるのも勿体無いし、中には色付けした灰を乾かして(乾いた炉の灰は篩からサラサラと落ちてくれて篩いやすいです)篩ったもので大丈夫ですよ」
「湿し灰は炭手前だけに使いますか?」「炭手前と席入りの前に整えた灰の上に乾いた灰が見えないようにまくのにも使います」
等と答えています。色々な説や考え方があるので一概には言えないかもしれませんが、誠之庵ではその様に作ったり使ったりしていますよ!とお伝えしています。
茶事を経験していらっしゃらない方は、最初に湿し灰で覆われた炉の中、下火を入れて真ん中から湿し灰が乾いていく美しさをご存知ない方がいらっしゃって残念だな!と思うことがあります。一度やってみられるのも楽しいかもしれませんね。
熱中症に気を付けながらあまり無理をせずに湿し灰作りをなさってみてくださいね。
宗香