本日の関東は猛暑ですがちょっと曇っています。
夏至も過ぎて、一年の折り返し六月三十日の、名越祓(なごしのはらい、はらえ)、夏越の大祓、水無月大祓、大祓式、と云われる大祓(おおはらえ)も終わり、昨日は七十二侯、半夏生(はんげ、しょうず)も過ぎました。
大祓の日には鶴岡八幡宮様より「お祓いさん」を送っていただきました。本来はお参りに伺って茅の輪くぐりをして、お祓いさんを頂かなければいけないのですが、なかなか日程が‥‥
茅の輪くぐりは、「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶというなり」と唱えながら茅の輪を3回くぐります。千萱で作った大きな輪をくぐることによって罪穢(つみけがれ)が祓い浄められるという信仰からきているそうです。
七十二侯半夏生は、半夏(烏柄杓からすびしゃく、のことです。ちょっと変わった花ですよね。茎の乾燥した物は生薬半夏として使われます)が生ずる季節なので!という事のようです。よく茶花に使われる半夏生(別名、三白草、片白草)という花の周りの葉が白く変色する植物は、この七十二侯半夏生の季節に咲くのでこの名前がついたとも云われていて、半夏生も生薬になるそうです。この日に降る雨は半夏雨(はんげあめ)と呼ばれるそうです。これも銘になりますね。
四日間朝茶事を致しました。
本来は朝早く、暑くなる前に!という茶事ですが、皆様そんなに早くお越しになれないので10時位から始めました。ですが、ですが、今年の暑さ!夜中さえ25度から下がらないのですから、朝も暑いのでもうどうでもいいかぁ!と気分になってしまいます。
七夕も近いので七夕の趣向で!
寄付きにはお祓いさんや長刀鉾の粽、糸巻、松本の七夕人形等を荘って、あぁ!今日はこういう趣向なんだなぁ!と感じて頂きました。
待合では牽牛織姫の画を、暑いですけれどやはり腰掛待合に移動していただいて、お迎えしました。他の時期よりも更に、お迎えの時の蹲踞(つくばい)からの打水、蹲踞に入れるお水の音が清々しく涼しく感じられます。
初座は懐石もあって、密になるといけないので広間にお通り頂きました。お軸は李白の廬山(ろざん)、香炉峰(こうろほう)の詩(前にコラムに書いたので省略です、2021年七月八日のコラムをご覧くださいね)を天龍寺221世、桂洲道倫(江戸中期)が書かれた軸を、朝茶事ですからご挨拶が済んだらまづ炭手前、風炉中拝見をしていただいて、懐石を召し上がって頂きます。
懐石は生物を使いませんので、向付は烏賊に火を通した物、ドンコ、胡瓜の胡麻酢和え。
1回目のご飯は、庭に生えている青紫蘇ご飯、庭の梶の葉を敷いて。
汁 南瓜
煮物椀 小鯛素麺 ドンコ 水菜
朝茶事は焼物を出しません。
預鉢 鴨茄子、伏見唐辛子、鱧
強肴 じゅんさい 茗荷 生姜 胡瓜 蟹 酢の物
小吸 萱草(かんぞう)の花 萱草の花は食べられます、酢の物や天麩羅も美味しいですよ
八寸 鮎風干し(今は日差しがあるので割と短時間で良い具合に干せます)アスパラガス味噌漬け
香の物 朝茶事ですので5種出します。沢庵は必須ですね
主菓子 葛焼(亀屋萬年堂)を冷たくして
中立後、後座は四畳半に移動して、ちょうど半夏生が良い具合でしたので使いました。続き薄茶でお茶を召し上がっていただきました。干菓子は滝煎餅と糸巻、干菓子も亀屋萬年堂さんです。
ご参加の皆様、お暑い中お着物で大変でらしたと思いますが、お楽しみ頂けましたでしょうか?お楽しみ頂けましたら嬉しく思います。有難うございました。