お知らせ・コラム

塗師

今日は秋分の日、お彼岸のお中日です。暑さ寒さも彼岸まで!の通り随分と過ごしやすくなりました。雲もすっかり秋の雲になっています。
今年は秋刀魚もイカも豊漁だそうです。やっと黒潮大蛇行が終息して本来の海に戻りつつあるのでしょうか?黒潮大蛇行に関係する温暖化での海水温上昇とか、偏西風の蛇行とか素人にはよく分からない事だらけですが、秋の味覚を食べられる事は幸せです。ぶどうも、梨、さつまいも、かぼちゃ、松茸ご飯も、新米も食べました、さぁ、栗ご飯の為に栗を剥かなきゃ!今、かかりつけ医からの指示で(結構怒ってらっしゃいました(笑))体重を落とそう!と思っているのにどうしたら良いのでしょう(笑)
稽古で塗りを聞きますが、唐物でも良いし、和物でもこれは古い方が良いよね!と言うと、どんな人がいるのでしょう?と聞かれます。
室町時代の「羽田五郎(はねだごろう)」、大阪城の落城で大破した付藻茄子を修理した「藤重藤元、藤巖父子」、利休の塗り師「盛阿弥」「余三(よぞう)」「記三(きぞう)」、秀吉から天下一の号を授けられた「篠井秀次(しのいひでつぐ)」もっといらっしゃるのでしょうが、最も有名な方達で、秀次の棗は蓋を閉めると蓋がひとりでにス〜っと落ちていきます、使う度に流石だなぁ!と感じます。気持ち良いです、茶事や茶会にご参加頂く方達にも「是非蓋を開けて閉めてみてくださいね」と言っています。
近藤道恵、飛来一閑(宗旦時代)、江戸の後期には、駒沢春斎(駒沢利斎の七代)、原羊遊斎、山本春正、佐野長寛、八代宗哲、橘屋友七、江戸の後期は素晴らしい塗師が多くいらっしゃって、切磋琢磨していらっしゃったのだろうな!と思いながら作品を眺めています。
益田鈍翁、畠山即翁等の明治から大正の数寄者が魅了され、愛された、「渡辺喜三郎」光にかざすと向こうが透けて見えるほど薄作りだそうで、主人は若い頃、御数寄者さんの茶事の手伝いに伺った折に、懐石道具を運んだりしたけれど、それはそれは薄くて綺麗だった!と申しておりました。私も見て触ってみたいものです。
継承していかなければならない大事な日本の工芸品ですね。

        宗香

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