雨が降っています。
地震で地盤が緩くなっている所があるというのに、雨も大事ですがこの地震の後には無慈悲な雨です。
誠之庵の寄付きと八畳の書院にお雛様が出てきました。
書院のお雛様は、手あぶりのお人形を作られた鹿児島寿蔵先生のお弟子さんの紙塑人形です。鹿児島寿蔵先生のお人形と同じ様に優しいお顔をなさっています。
寄付きには桃の花の軸と共に、七段かざりのお内裏様だけ!三人官女も五人囃子も随身も仕丁も、その他のお道具類、お飾り類も仕舞いっぱなしで可哀想だなぁ!と思いながらも、床の間から随分と前に迫り出してくるものですから、大変なのでなかなか七段出せないのです。
お飾りの中に、左近の桜右近の橘も有ります。
京都御所の紫宸殿の前に植っています。橘は桓武天皇の京都遷都の時に植えられたという事です。
垂仁天皇の御代、田道間守(たじまもり、柑橘やお菓子の祖)は勅命によって不老不死の霊菓を求めて海外に渡り、艱難辛苦十余年、橘「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)非時香木実(ときじくのかのきのみ)」を持って帰られたそうです。
万葉集にも出てくる様ですが、有名な歌は古今和歌集、伊勢物語に収録されている
五月待つ 花橘の香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする
が有りますよね。
その、橘の実のジャムを徳禅寺の和尚様に送っていただきました。お庭に植っている橘から実を取り、お知り合いにジャムにしてもらったものだそうです。ひょっとして和尚様自ら実を取られた?そんな事はない?でも、和尚様だからなさりそうな!そうじゃなくても、お寺に植ってただけでも有難い!そんな畏れ多いジャム!パクパク食べて良いのかしら?と思いながら、毎朝ヨーグルトに入れて頂戴しています。
橘には抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、等々色々な効用が有る!と和尚様直筆でこの橘ジャムの由来と共に説明書きが!
字を書かれる事にマメな和尚様ですが、こんなに気に掛けていただける事が有り難く、畏れ多い事だと感謝しても感謝しても、感謝しきれない思いです。
どうしたらご恩返し出来るのでしょうね?
ご恩返ししなければならない方々が多いのに、なかなかご恩返し出来ないジレンマを抱えながらも、精進にしなきゃ!と思います。