お知らせ・コラム

お盆

お盆はいかがお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか。

神奈川県は神奈川西部の地震、台風と、ちょっと心配なお盆でした。

8月15日、円覚寺、横田南嶺老子が、床の間には延命十句観音経と観音様の絵の軸、青磁の花入に仏教で大事にされている蓮の実を生けられて、その前で「お盆に思う」という御法話をなさってくださり、その御法話を感慨深く拝聴させていただきました。

終戦記念日でもあるので、最初に戦争のお話でした。私達年代は傷痍軍人の姿もみられ、まだまだ戦争を感じていた子供時代でした。沖縄等ではまだ13、14、15歳の少年兵が戦争に駆り出されていたとの報道がありました。捕虜になる事を恐れた兵隊に殺された少年兵もいた!との報道に愕然としました。もう、普通の精神状態ではなかったのだろう、それが使命と思わされていたのだろう、と思うと心がキリキリと痛む思いです。子供達にそういう思いをさせる戦争は二度と起こしてはいけないと思いました。

私の父は、戦争中、終戦がまだ今の中学生か高校一年生くらいにも関わらず、当時の特高(特別高等警察)に追い掛けられながら、いつも遺書を胸に仕舞い反戦運動をしていたそうです。一度はもう捕まるから死のう!と阿蘇山に登り、最後に空を見ようと寝っ転がっているところを地元のお婆さんに、何があっても生きなければいけない!と、声を掛けられ、諭されて下山したところ、一緒に反戦運動していた仲間が特高に捕まり命を落としていた事を知ります。その事で、父親(私の祖父)に知られるところになり、「なんて事をしてくれたんだ」と、なじられ、激怒され、仲間の死に悲嘆し、なかなか立ち上がれなかった!という話しを私が大人になってからしてくれました。そういう思いを経験しなければいけない戦争を、二度と起こさない覚悟が必要だ!とも話していました。今でも世界では戦争が起こっています。そういう思いをしている子供達、勿論大人もたくさん居ます。どうにかならないのか?と思うのですが、なんともできない事が悔しいです。

盂蘭盆(うらぼん)のお話しもしてくださっています。奈良時代、推古天皇の時代には行われていた、目連尊者(もくれんそんじゃ)、お釈迦様の話、目連尊者が、母親を餓鬼道(がきどう)から救う為にお釈迦様の教えに従ってお坊さんに食べ物を差し上げたのが、夏安居(げあんご)の最終日で、自恣(じし)、布薩(ふさつ)、自分の罪を懺悔し、反省をする日と教えてくださいました。

各地で夏に花火が上がります。花火のお話しもしてくださっています。お話し通り、御先祖や亡くなった方の御霊を供養する為の花火ですから御先祖様、今迄に起きた震災、戦争で亡くなった御霊を思いながら、綺麗な花火を見たいです。

最後に空の世界、仏の世界、仏心の世界、といわれる自分と他人の区別が無い世界を生きていきなさい、と‥‥、難しい事です。まづ、感謝する事を自分に言い聞かせたいと思います。

横田南嶺老子は、凡人の私にも分かりやすくお話ししてくださいます。有難いことで、感謝です。

宗香

 

 

 

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