お知らせ・コラム

達磨茶会続編

急に涼しくなりました。寒いくらいです、気持ちの良い秋はどこにいったのでしょう?
今日は初冠雪の富士山を見て嬉しくなりました。やっぱり雪を乗せた富士山は綺麗です。
昨日は達磨忌でした。禅宗のお寺様では法要をなさったのだと思います。私共も先日達磨茶会を催し、達磨大師尽しの茶会になりました。楽しかった!
待合の床には、狩野探雪(探幽の子)の達磨絵
本席の床には、天佑和尚(江戸初期、大徳寺169世)筆 達磨画賛
 これ、達磨大師?言われなきゃ分からない(笑)画は何となくひょうげているのに賛は難しい。三祖(僧燦、そうさん、達磨大師の3代目)はこう仰ったよ、雲門禅師(うんもんぜんじ、唐末から五代の禅僧、日日是好日と仰った禅僧)はこう仰ったよ、最後は乾坤大地何の咎があろうか!と書いてあります。何のこっちゃ?ですが、禅宗のお坊さんでもない凡人の私にはこういう事らしい!とも書けない内容です。
花は蓮の花、蓮の実が入っている大きな花托、小さな花托をドライフラワーに(蓮は仏教では大事な花だから?)、主人が何処かから頂戴してきた蓮を台所のエアコンの下に逆さに干したのですが、だんだん乾いてきて色が変わり始めた頃に、娘がシリカゲルを使ったらもう少し良い色になったんじゃないかなぁ?と‥‥早く言って欲しかったですが、いかにもドライフラワーって色も床の間にはよく合っていました。
花入、中里無庵造 朝鮮唐津耳付
香合、円覚寺古材(達磨大師の諡号(しごう)は円覚大師なのでかな?)
釜、達磨(だつま、だるまとも読めますが、数珠の玉の事でその形です)釜、初代名越弥五郎造
風炉、雲華 大 宗筌造
水指、青磁 四耳壺(しじこ、四つ耳があるから) 越窯(えつよう) 六朝(達磨大師が生きていらっしゃった時代の作品なのでこの水指を使いました)
茶入、上野 瓢 銘回也
茶杓、杉木普斎作 銘寒葦(かんろ、芦葉達磨から?)
濃茶茶碗、 赤 銘閑居 宗入造
替、    赫磁(せきじ)青磁天目台付 川瀬忍造
替、    根来天目台付 夏目有彦造
建水、砂張 鉄鉢(てっぱつ、禅宗の食器応量器(おうりょうき)の一つ)
菓子器 利休形縁高 佐野長寛造
    利休形縁高 山本春正造
    食籠    川瀬竹志造

薄茶席
床 六祖画賛 沢庵禅師賛 狩野安信(かのうやすのぶ、探幽の弟)絵
  采薪春米定応知
  仰法自言不會之
  廡箕黄梅多少衆 (黄梅は五祖弘忍(ぐにん)の事だそうです)
  一人称得六傳師
  六祖のがどういう方だったのか、と言う事が書いてあるらしいです。六祖慧能(えのう)はお寺で下働きのように薪を集め、米を突いていた方です。字が読めず、書けなかったとか‥‥六祖慧能の話は長くなるので又今度のお楽しみで‥‥
花入、唐銅(からかね) 角木(つのぎ、鏑矢(かぶらや)の鏑の事で鏑は鹿の角でできているので)浄中造
花、射干玉(ぬばたま、うばたま、むばたまとか!ヒオウギの種)と葉
  射干玉は黒い物の枕詞なので、黒、夜、髪の毛、月にもかかるらしいので、名月に因んで
香合、月形雁絵 利斎造
釜、鰐口(わにぐち、神社やお寺の軒先に釣られた鉦) 二代寒雉造
風炉、黒道安 杉浦宗京造
水指、根来経筒 夏目有彦造
薄器、蔦蒔絵 黒大棗 二代春斎造
茶杓、鵬雲斎大宗匠作 銘 南北東西(慧能禅師の南華寺から禅宗が世界に広まったので!という意味で使いました)
薄茶茶碗、赤 銘 颯々 覚入造
     白磁 蓮弁 竹志造
     米の字、米の絵 粟田焼浩人造
     秋草絵  杉田祥平造
建水、志戸呂 箪瓢 鈴木青霄造
干菓子器、白檀塗菊絵 佐野長寛造

主菓子、不識(ふしき、達磨さんの形です) 亀屋万年堂
干菓子、葦、沓(くつ、達磨大師がお履きになっている沓を、隻履達磨(せきりだるま)のお話のように片っぽ一つだけ) 亀屋万年堂
    もう一つ、滝  藤丸 葦葉達磨(ろようだるま)に因んで、梁(りょう)の武帝との会見の後葦の葉に乗り揚子江を上り魏(ぎ)に入ったので、その間には滝もあったかなぁ?と‥‥
お菓子は主人が絵を描いて、こんなのお願いします!と亀屋万年堂さんに‥‥亀屋万年堂の長野さんには、毎回毎回本当に無理を申し上げてしまって‥‥申し訳ありません。

達磨大師、僧燦禅師、慧能禅師、拙いながら禅宗の道のりを辿りながらの茶会でした。

 

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