お知らせ・コラム

開炉、口切

八日には立冬だというのに夏日なんて。。。どうなっているのでしょう?茶事も社中の開炉の茶会もクーラーを効かせて開催しました。ここ何年も開炉の時期にはクーラーです(笑)
口切の茶事4回、社中の開炉と、茶人のお正月と云われるお目出度い2週間を過ごしました。
可笑しな気候にも関わらず、利休様が「柚子の色づく頃に炉を開ける」と仰っているように、柚子が色づき始めています。

5回の茶事茶会でしたので、お道具も少しづつ替えましたが、この時期にどうしても使いたい道具、つくつく臼の水指、秋の銀杏や紅葉、秋草、菊、龍田川等華やかです。全ての道具は書けないのですが、少しだけ。。。
開炉の軸はやはり少し重厚な物を使いたい!との思いで3回は
江雲(遠州の甥とも弟とも、遠州流では甥となっています遠州さんが仰っているのですからそちらの方が正しいのでしょうね。江月宗玩の法嗣)筆
「重畳関山路(ちょうじょうたり、かんざんのみち)」
茶席の禅語には、国境の山越えの道は幾重にも重なり、厳重な関所で固められていて、容易には通り抜けられない。と書いてあります。

後の2日は
万仭宗岱(ばんじんそうたい、江戸中期)筆
「日出瞻佳気(ひ、いでて、かきをみる)」
瞻(見る、見上げる、仰見るとかいう意味のようです、音読みはセン)
李白の詩の一節、天子に供奉して作った詩のようで、将軍が率いる軍は順序よく配置につき、磨き上げて霜の色をした兵仗は月光に冴え、紅霓(こうげい)の天子の旗は夜空の雲を巻いてひらめく、夜、刻を告げる太鼓の音、鞺鞳(とうとう、鼓や太鼓の鳴り響く様)と響き渡り、千戸の家は粛然と静まり返り、優雅な楽の調べが長く余韻を引いて、九天の上に聞こえているばかり、やがて夜が明け朝日が昇ると佳気忽々(そうそう、特に優れている様)として朝礼に叢叢(そうそう、群がる、集まる)と集まって聖天子を圍繞(いじょう、取り囲む)するように見える。と書いてあります。と漢文委員会という所が解説してくださっています。

川瀬竹志造 玄猪包の香合はこの時期にぴったりです。つくつく水指、玄猪包の事は2019年11月11日のコラムに書いてます。見てみてくださいね。
松の臼と柳の中細(杵として)で、天皇陛下がお餅をつかれ、お下げ渡しになるので、つくつく水指と中細をイメージして花入に雲龍柳を入れました。

茶入も日替わりで、五代時代越窯の広口唐物茶入(博多の鴻臚館に展示してあった物と同じ手です)、五代時代越窯の唐物円座文琳を。。
先日惜しくもお亡くなりになった大樋陶治斎氏を偲んで花入を使わせていただきました。全身から威厳を感じられる、凛とキリッとなさった方でした。残念です。お悔やみ申し上げます。

懐石の献立は次回に。。。

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