お知らせ・コラム

蝉が私を呼ぶ

田んぼが黄金色です。ついこの間まで稲が青くてようやく逞しくなってきたなぁ!と思っていたのに、今朝は田んぼが黄金色に色づいていて、稲の頭が垂れていました。もう少しすると新米が食べられるかなぁ!と楽しみになってきました。
お稽古の時に社中が「ヒグラシが鳴かないんですよ、どうしたのかしら?」と、そう言えば確かに聞かないなぁ!まだまだ暑過ぎて出てこれないのかしら?
蝉っていろいろな話があって面白いなぁ!と思っていたので、ついつい蝉の記事に目がいってしまいます。
蝉文冠飾(せみもんかんしょく)の説明を東京国立博物館のブログで見つけました。素晴らしく綺麗な作品です。冠に飾られたもので、仏像の冠にも蝉形の飾りが有ったりするらしいです
中国戦国時代に武官が清廉、高潔、清貧、節約の象徴(蝉は木の上で木の樹液しか口にしないのからのようです)として冠の前面に蝉の飾りを使うようになったと説明してありました。蝉と、貂(てん)の尾(高級品だから?)を飾った貂蝉冠(ちょうぜんかん)という冠も被っていたとか。。。これも清廉などの意味があるのでしょう。三国志で呂布(りょふ)に愛された絶世の美女の名前が貂蝉だとか。。。この貂蝉冠と関係があるのかな?やっぱり三国志(漫画も含めて)読まないと駄目かなぁ!長過ぎて根気が続かない気がするのです。
朝鮮時代の王の冠、翼善冠(よくぜんかん)は、明の皇帝に由来する蝉の羽根形の翼が上向きに付く冠だそうです。そう言えば、韓国の時代劇を観ていると王様が、後ろに羽根みたいな物を付けた冠をかぶっています。あれは蝉の羽根で高潔、清廉、清貧を表していたのですね。ただの形かと思って見ていました。ちゃんと意味があるのですね。日本でも、天智朝文官がそれに似た冠を被っていたとか。中国、朝鮮半島、日本は繋がっているのだから、仲良くしなきゃ!
中国や韓国の時代劇も、いろいろな事を知っていて観ているのと、知らないで観ているのとでは楽しみ方が違います。中国ドラマの中で、ある人が友人のお葬式で「伯牙(はくが)は琴の弦を絶ったが、私は筆を折る」というちょっとした台詞が有りました、伯牙は古琴の名人で、鐘子期は伯牙の琴の良い聴き手でしたが、鐘子期が亡くなると「琴を弾くに値する人がいなくなった」と琴を壊して弦を断ち、生涯琴を弾かなかったという人です。古事を知っていると、この台詞で、友人が亡くなった事への強い想いが感じられます。楽しいですね。このお話は国宝の鏡などの文様にも見られますし、親友の事を「知音(ちいん)」というのはこの古事からのようですし、祇園祭の伯牙山もそのお話しからついた名前です。一つ知っているだけで沢山の楽しみが増えますね。
蝉にも沢山勉強させてもらいました。これから色々な事の見方が増え、楽しみが増えてくると思います。
蝉のおかげです、嬉しい!

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