ご無沙汰しています。少し体調を崩しておりました。今年の7月の終わりから8月いっぱいは、体調との戦いで、お稽古の皆様にもご迷惑をお掛けしました。すっかり!とはいかないものの回復いたしました。長かった〜!これから頑張りましょう!
土曜日のお稽古に「窓外残蝉声(そうがいせんせいのこる)」を掛けました。夏の初めの蝉時雨から盛大に鳴いていた蝉の声も落ち着いてまいりました。
窓の外、蝉の声が残っている。という丁度今頃の言葉だなぁ!と思いながら見ておりましたが、蝉声の読み方は「せんせい」かな?「ぜんせい」かな?どっちが良いだろう?と読み方を調べましたら、「せん」でも「ぜん」でも良さそうでした。それよりも訓読みにビックリ!「せみ」は勿論ですが、「美しい」「つづく」とも読むと書いてありました。
「嬋娟(せんけん)」「孅媛(せんえん)」どちらも女性のあでやかで美しい様の事ですが、その嬋の字を蝉に置き換える場合も有るので「美しい」とも読めるらしいのです。
和漢朗詠集の妓女(ぎじょ)の項に白居易の「嬋娟両鬢秋蝉翼(せんけんたるりょうびんはあきのせみのはね) 宛轉雙娥遠山色(えんでんたるそうがはえんざんのいろ)」たおやかで美しい女性の両の髪の毛は秋の蝉の翅の美しさに似ている、双の眉毛は遠山の翠の色のけぶった様に似ている。と美しい様を表現しています。
紅梅の項には、「淺紅嬋娟たり(せんこうせんけんたり) 仙方の雪色を媿づ(せんぽうのゆきいろをはづ) 濃香芬郁たり(ぢょうぎょうふんいくたり) 妓鑪の烟薫を譲る(ぎろのけぶりかおりをゆづる)」とあります。この嬋娟もあでやかな雅な様として使われています。
「つづく」の読みは、なぜかしら?どうも、蝉はず〜っと続いて鳴いているからそう読む!という説が有力かな?なんて思っています。
蝉の読み方一つで随分遊ばせてもらいました。