お知らせ・コラム

茶飯釜、五事式の茶事

今日から風炉です。やって来ました!灰形を作る事に追われる半年が!主人と妹分と私で1つづつ作っているのを見ていた孫4号(四年生)、「僕もやってみる」と風炉と灰匙を出してもらい見よう見まねで作っていました。教えながらでは無いので自分流でペタペタしながら作っていましたが、前瓦も入れて、前の傾斜と後ろの傾斜もほぼ揃っていて、火床もそれなりに丸く、よく見てるなぁ!と感心しましたが、何より大感激したのは、途中で投げ出さずに形になる最後まで我慢して作り終えた事でした。遊びの一つなのでしょうが、根気よく出来た事を沢山褒めました。こうやって日本の文化を孫達が見てくれているのは嬉しいですね。

コラムをサボっている間に四日間、五事式と茶飯釜の茶事をいたしました。
五事式の茶事は、廻炭をして懐石、お菓子を召し上がっていただいて中立、後入りの後は廻花、お香をして、濃茶、薄茶は花月(今回は人数が多かったので、本当は花月ですよ〜!と言いながら員茶をいたしました)、一二三、最後に本日の茶事全般の採点をしていただきます。今回はお客様もとても楽しんでくださったので点数も高かったです。やはり時間がかかる茶事ですね。その分楽しさも多い茶事です。
茶飯釜の茶事は炉の時期にしか出来ない楽しみです。四畳半で自在を使ってご飯を炊き、汁や預け鉢を温め部屋の中でお客様に振る舞うと、一体感がうまれます。ご飯がなかなか炊けなかったり、早く炊けすぎたり、その時その時の状況で煮物椀を出したり、焼物も出し、それでもまだご飯が炊けなくて強肴も出さなくてはいけない時もあります。えっ?もう炊けちゃったの?汁の準備が間に合うかな?という時もあります。亭主も、水屋も、台所もハラハラドキドキして楽しい茶事です。
今回の茶事ではお味噌汁は赤味噌も多めに入れて、初夏?晩春?の雰囲気を出しました。平塚で朝取れされた、ズッキーニ(今回はお味噌汁に入れて、農家さん曰く、出始めだからね小さいけど柔らかくて美味しいよ)、筍、タラの芽、蕨、ウルイ、蕗、お庭で取れた木の芽、それを使った木芽味噌、お魚、地産地消の様な懐石でした。珍しい物も美味しいですが、畑から、海から直送の物を使える事に感謝です。
茶事は予期しないいろいろな事が起きます。その場その場で対処したり、焦ったり、楽しんだり、力量が試されるのもとても修行になります。
いつ悟れるの?と思いますが、私は悟れるわけがないので、のんびり苦しんだり、楽しんだりして修行していきたいと思っています。寿命が尽きる時に「悟れなかったけど、茶道をやっていて楽しかったね」と言いたいと思います。

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