お知らせ・コラム

紫陽花

京都から帰って来て何日か経った日に薬師寺様が、東塔西塔の吹流しを取りました!とインスタにあげてくださっていました。何百年に一度上げられる吹流しが風に揺れる風景を見られて本当に運が良かった!
宮大工の棟梁が東塔西塔の九輪の上、てっぺんに登って吹流しを取り、思わず「取ったど〜!」と叫ばれたとか!あんな高い所、気絶しないで登るだけでも尊敬です。素晴らしい!
それと、妙心寺様の仏殿に下がっていたピラピラは、上り馬と下り馬が書いてあって、夏安居の終わる七月十五日に御焚き上げをされるそうです。禅宗(禅宗だけではないですね)の和尚様方は昔からのしきたりを粛々と、やるべき事をやるだけ!ただそれだけ!と身体で理解していらっしゃる、きっとそれが修行をなさった!という証なのでしょう。今回の事を調べる過程で、私のようにこれ何?これ何?と知りたがり、頭で理解しようとして頭でっかちになる事の愚かさを痛感し、修行もできていなくて情けないなぁ!と思い知らされました。それでも凡人の私はどうしても知りたい病が出てしまいますが、今回の教えを胸に刻みながらいろんな事を知っていきたい!と思った次第です(笑)
うちのガクアジサイが咲き始めました。ちょっと前まで殆ど葉っぱも無かったのに、みるみるうちに葉っぱが出て大きな株になっています。ガクアジサイっていつ頃から日本にあるのかしら?と思っていたら、何と日本固有との事、初めて書物に登場したのは奈良時代なんだそうです。へ〜〜!でした。ガクアジサイではない今の綺麗な西洋アジサイは日本のガクアジサイをヨーロッパで品種改良された物とか。。
アジサイの歌は万葉集には二首しかないのだそうです。その内の一首は山吹の時に書いた橘諸兄の歌です。お花がお好きだったのかしら?ですが、2首しかないという事は、歌を詠むような貴族にはあんまり好まれなかったんでしょうか?ガクアジサイはそんなにパッと美しい!という花じゃないですものね。その二首には「味狭藍」「安治佐為」の万葉仮名で書かれています。今の紫陽花の漢字が使われたのは平安時代の学者さん「源順(みなもとのしたごう)」の勘違いだったみたいです。白居易の白氏文集、杭州招賢寺の紫陽花の漢詩の中に、色は紫で芳しいという言葉があって、源順はその漢詩を読んでガクアジサイだと思って、ガクアジサイにこの字を当ててしまったようです。ガクアジサイは香りませんよね、なので違う花(ライラックじゃないのかな?という説が多そうですよ)なのに勘違いして付けてしまった名前が今でも使われているんですね。
ガクアジサイも綺麗です。昨日も小さな可愛いガクアジサイを床の間に生けました。大きいと茶花には使えませんが、小さい花なら綺麗です。「よひらの花」の別名もあって素敵です。シーボルトが想い人お滝さんに因んで「おたくさ」という名前にしようとしたらしいのですが、認められなかったとか。。。。牧野富太郎先生がそれを非難した!なんて話もあって、面白いですね。
今から順々に色とりどりの紫陽花が咲きます。大きな綺麗な西洋アジサイは茶花には使いづらいですが、お寺や川に咲く紫陽花を堪能したいです。

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