お知らせ・コラム

紫木蓮

仕事に向かう東名高速に紫木蓮(シモクレン)が咲いていました。先日忘れ雪(名残の雪とか終雪とか言いますが、子供の頃から使っていたので忘れ雪が自分の中でしっくりとします。春の季語です)が降ってまだ寒いね!と言っているこの時期に見た紫木蓮、あぁ!本当に春が来ているんだなぁ!と嬉しくなりました。
紫木蓮と白木蓮はモクレン科ですが、違う種類とか、白木蓮とシデコブシの違いも何となく花が上に向いて半開きが白木蓮、花がパッと開いて花弁が細長くて「紙垂(シデ、榊の枝や御幣串に垂らす紙)」の様なのがシデコブシかな?と思って見ています。
紙垂というと、今は組内でのお葬式もなかなかできませんが、コロナ前位まで組内のお葬式はお互いにお手伝いをしておりました。結婚後初めてお葬式のお手伝いに伺ってえっ?とビックリ!初七日の精進落としの御膳が始まる前にやおらと組の長老が立ち上がり、割り箸に裂いた白い紙をくっ付けた物で各テーブルのお祓いをしてくださいました。その場で作るんです。地域のしきたりの様で、長老は変わってもつい最近までそのしきたりは続いておりました。もうそういうしきたりも廃れていってしまって残念です。
地域のしきたりといえば、うちの地域ではお嫁に来ると花嫁衣装のまま組内は全お宅、近隣の組は長老のお宅へ挨拶回りに行きます、挨拶回りに行く花嫁さんの直前にお嫁に来た方が手を引いてくれます。私の時にはお向かいの家の方が手を引いてくださいました。着物には慣れていた私ですが、流石に花嫁衣装で遠くのお家まで歩くのは大変でした。各家のお玄関で「小澤誠さんのお嫁さんで香代さんと言います、これからどうぞよろしくお願いいたします」と付き添いの方が紹介してくださいました。その時には「え〜〜!なんて田舎なの」と思いましたが、その後の子育てでは地域の方々に色々と助けていただき、子供達が外でウロウロしていると「マコちゃんちの子でしょ!危ないから連れて来たよ」等有難い地域でした。花嫁さんの挨拶回りも私で最後、それからは無くなってしまいました。
面倒なしきたりも沢山ですが、こういうしきたりも有ったのよ!と後の時代の方に話していく事も大事だと思っています。
茶道でのしきたりも時代に沿って変わってきます、着物の衣替えが良い例だと思うのですが、昔と比べて気候の変化が著し過ぎて昔通りの衣替え時期だとちょっと困ったことになっています。私は「死んじゃうといけないから暑い時には時期に関係なくサッサと夏物にしてね」と言っていますが、その他の事も、昔はこうだったのよ!こういう理由で今はこうなってしまったけれどね!と伝える必要があるんじゃないかしら?とこの所思います。

                 宗香

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