お知らせ・コラム

算木手

沖縄の猛烈な雨は災害切迫のレベルにまで達しているようで、身の安全を最優先に!と報道されています。安全な場所への避難が早急にできますよう祈っております。

立冬も過ぎ、ずいぶん寒くなりました。ですが関東は週明けには少し暑くなる予報です。洋服を着たり脱いだりしながら調節するしかなさそうですね。風邪にお気をつけくださいませ。

稽古の床の間に「算木手」の花入を使いました。社中のこれは?の質問に主人が「算木手ですよ」と、算木って言うくらいですから数を数えるための物ですか?と質問が。

私は占いの時に使う木の棒だとしか思いませんでしたが(使っているところは見た事がありません)、そう言われてみればそう言う使い方も有るのかしら?と疑問に思いました。

算木手は「琮形瓶(そうがたへい)」と呼ばれます。琮は最初玉(ぎょく)で作られていて、玉琮と云われ祭祀用と書かれているものが多いです。玉の物を青磁で模しているものが多くありますが、青磁の琮形瓶も博物館や美術館でたくさん見られます。

その彫りの紋様が算木に似ているので「算木手」と呼ばれるそうですが、算木を調べているとやはり古代中国で数を数えるのに利用したようで、I〜10迄並べ方があるようですよ。裏返しにするとマイナスを意味するとか、便利ですね。

占いの算木の使い方もそういえば知らないなぁ!と調べていると、今は便利です、映像が有りました。陰は算木の凹凸がある方側、陽は凹凸のない方側、を使って八卦を表し、八卦の一つ一つには意味が沢山あって(茶道で使うのに知っていた方が良い意味はそんなに多くないのでその程度しか分かりません、占い師にはならないので沢山の事を覚える必要がなくて助かりました(笑))、その組み合わせで占いをするようで、これも八卦の陰陽がよく分かって便利そうでした。これからは琮形瓶の紋様を見ると算木の使い方も想像できて楽しそうです。

琮には中国の「天円地方(てんえんちほう、天は丸く地は四角)」の考え方が表れていて、上部(天を表す)と下部は円形、胴の部分(地を表す)は方形になっています。調べていくと、天円地方という古代中国の宇宙観はいろんな方面に広がっていて、中国の上海博物館は最上部に円盤を頂き、下部を鼎(かなえ、青銅器の鼎も意味が分かると楽しく見られます、饕餮紋(とうてつもん)もなんじゃこりゃ?と楽しいです)の形状を模しているのだそうで、この思想から建物ができているそうです。

こうやって考えていると、日本の「前方後円墳」もこの思想の影響を受けてるの?と疑問がわきましたが、明確な説明の物が無いので難しいなぁ!と思っているところです。

琮形瓶を見ていろんな事を想像してみてください。楽しみは続く(笑)

宗香

 

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