ウクライナ、知床の観光船、道志村、痛ましい事件や戦争のニュースは、目を覆いたくなります。関係者の方々がどんな思いをなさっているか、考えるだけでも胸が締め付けられる様です。
少しでも安らかに、との思いで折り鶴の柄の帯を締めました。こんな事でどうにかなるものでも無いのですが、何も出来ない自分でも、ほんの少しでも、気持ちだけでも、寄り添えないか‥‥‥と‥‥無力ですね。
明日は5月5日、端午の節句です。
端午の節句の時に、「粽」や「三級浪高魚化龍(さんきゅうなみたこうして、うおりゅうとかす)」や鍾馗(しょうき)様の話しを書きました。
今年は菖蒲を
花菖蒲、杜若、あやめが咲いています。どれも華やかです。
どうやって見分けるの?と思いますが、花の付け根?を見ると、花菖蒲は黄色の筋が、あやめは網目模様が、杜若は白い筋がある様な‥‥
杜若はお水の中?花菖蒲は水辺?あやめは陸地?に咲いてる様な‥‥
端午の節句に使われる菖蒲はショウブ目ショウブ科ショウブ属、花菖蒲はキジカクシ目アヤメ科アヤメ属と全く違う花なんです。
菖蒲の花は綺麗でもなんでもなく、蒲(がま)の穂の様な花です。これが菖蒲の花だよ!と主人に見せられた時にはちょっとガッカリしました(笑)ですが、その葉は真っ直ぐで良い香りがして、薬草にもなる素晴らしい植物です。
香りは邪気を祓い(菖蒲湯に入って邪気を祓うんですね)、真っ直ぐな形は刀(菖蒲刀、あやめがたな、あやめだち、しょうぶがたな)に似ていて、男子には縁起の良い植物とされたそうです。
万葉集には菖蒲の事を、アヤメグサとかあやめと書かれているそうです。なので菖蒲刀をあやめだちとかあやめがたな、と云うんでしょうね。
今の時期京都では(京都だけではないのかもしれませんが、他ではなかなか見ませんね)、軒菖蒲(のきしょうぶ)とか、軒端の菖蒲(のきばのしょうぶ)とか呼ばれる、菖蒲と蓬を結んだ物が軒先の屋根に邪気を祓う為に飾ってあります。
薬玉(くすだま)も端午の節句の飾物、邪気を祓う為に香料を玉にして錦の袋に入れ、菖蒲や蓬を結び五色の糸を長く垂らし柱などに垂らす。これも中国から伝わった風習の様です。長命縷(ちょうめいる)、続命縷(しょくめいる)、五色縷(ごしきる)、ともいわれるそうです。
そうそう、菖蒲の話をしていたら、お弟子さんが「お舅さんがこの時期には、真っ直ぐに育つ様に!と子供のお布団の下に菖蒲の葉を入れていた」と仰っていました。菖蒲の葉の香りで邪気を祓い、菖蒲の葉の様に真っ直ぐに育って欲しいと願いながら、子供達の幸せを祈ってくださったのですね。素敵なお爺ちゃまです。
こういう伝統行事が無くならないと良いですね。
明日は菖蒲湯に入って邪気を祓いましょう!