お知らせ・コラム

水撒き

山の木に藤が絡まって、山の緑に藤色が挿されてハッとさせられます。藤棚の見事な藤も圧巻ですが、山の藤も感動します。

三日間、茶飯釜の茶事をいたしました。茶飯釜は炉の火で炊き立てのご飯をお客様に召し上がって頂く茶事ですが、まだ吹いてこないですね、とか、お釜がゴトゴトしてきましたね、とか、今か今かとお客様と共に待つのも楽しみです。

台所も、お席のご飯はどうなってる?香合の拝見はしてるのよね?まだご飯が炊けそうじゃなければ煮物椀を先に出す?そろそろ金色(かないろ、お味噌汁を入れます)の準備をしてもいいかしら?預鉢の鉄鍋の準備は?釜が帰ってくるよ、急いで洗ってお水を入れてお席に出さなきゃ!炉に何も掛ってない状態になってるよ!と最大限の気を遣っています。お席の中のご飯の炊け具合に左右されますから台所も大変難しい茶事です。

お茶事の度に思うのですが、亭主が迎え付けに出て行き、蹲踞(つくばい)の水を蹲踞や周りの灯籠に水を掛け、周りの木や草に水を撒き、自分の手と口を清め、新しいお水をザーッと蹲踞に入れ、迎え付けに出ます。

蹲踞や灯籠には水を掛けるんだけど、周りの木や草には水を撒くんですよ!と言っているのですが、掛ける!と撒く!の違いが分かっていないのかな?と思う事が多くあります。

掛けるのは、柄杓で水を汲んで手首を内側に回しながら水を落としていくんですが、撒くのは手首を外側に回しながら水を広げていく感じですかねぇ?私が子供の頃は玄関や家の前の水撒きには柄杓を使っていて、大人の撒き方を見ていたのでどうすれば良いか!知っているのですが、今はホースですものね。

これから夏ですから道に水撒きをする時に柄杓を使って練習するのもいいかもしれませんね。太陽に背を向けて水撒きをすると水がパッと広がって虹ができるようですよ、霧状にならないとできないようなので、だんだん水撒きが上手になると虹が見られるかもしれませんね。今年の夏は私もやってみよう!

お客様がいらっしゃらない時に銅羅を打つ練習をしますが、水撒きの練習する事も大事かもしれませんね。

宗香

 

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