お知らせ・コラム

扇子

立秋も過ぎました。なのに暑いです💦猛暑日が続いて日中は外に出ては行けないんじゃないか?と思ってしまいます。
立秋の時期を3つに分ける七十二侯には、涼風至(すずかぜいたる、まだまだ涼風には程遠そうですね)、寒蝉鳴(ひぐらしなく)、蒙霧升降(ふかききりまとう)となっています。
七十二侯は宣明暦(せんみょうれき)以前と、貞享暦(じょうきょうれき)、宝暦暦(ほうりゃくれき)以降と違うようです。上に書いたのは宝暦暦以降のものです。
夕方に鳴くイメージのヒグラシが朝鳴いていた!と散歩から帰って来た主人から報告がありました。ヒグラシは秋の季語にもなっていて、蜩、茅蜩、秋蜩、晩蝉、日暮等書かれます。
私はどうも蝉の鳴き声を覚えられなくて、毎年「この鳴き声の蝉は何?」と、違う蝉が鳴く度に聞くので、やれやれ!という顔をされます。今このコラムを書くのに「ヒグラシってなんて鳴くんだった?」と聞く私に、うんざりした顔を繕おうともせずに「カナカナって鳴くんだよ」と答えた主人でした(笑)

先月、軸荘や軸荘付花月の稽古をしました。軸荘は外題荘とも云われる?と聞いた事があるような気がしますが、紫の帛紗の上に外題が見えるように軸を置き、床の間に荘っておきます。軸を掛けるのに白菊扇を使います。
皆様、白菊扇の扱いに慣れないので苦労していらっしゃいました。
白菊扇で軸を掛ける時にパチッと一枚だけ広げて掛緒(かけお)を挟み、45度をずらさない様にして軸を掛けます。足も気にしないといけないので扇子がだんだん40度になり、35度になり、30度になり、としているうちに扇子から軸が落ちてしまいます。ずっと「扇子を45度にしてないと落ちますよ!だから、扇子を45度に!」と言っていないといけないのです。
皆様まづ、扇子を一枚だけパチッと開くのが大変だ!と……
コツがあるんですよ!開かない部分を人差し指で押さえて、親指をずらして!と言っているのですが、コツですからね、コツを掴むしか方法がないですね。
お寺様の奥様が「主人が、話している間に持っている朱扇をパチパチ広げてるあの要領ですかねぇ?」「きっとそうですよ」と笑いました。
大河ドラマを見ていたら、丁度このタイミングで!と思わず笑いましたが、頼家が扇子をパチパチしながら話していました。そうそう、その要領!とつっこみました。

お茶のお扇子は扇ぐためのものではなくて、気持的には刀の代わりの様なものだし、お辞儀をする時に相手の間に置いて自分がへりくだったり、結界を作ったり、相手に何か差し上げる時に載せて出したりする物ですよ!と初心の方に説明します。
和尚様方がお持ちの朱扇や少し広がった形の中啓(ちゅうけい、末広とも言うそうです。中啓と言う!と初めて知りました)はどの様にお使いになるんだろう?と思いましたら、茶道で使う扇子と同じ様な使い方をなさるようです。茶道のお扇子は仏教のお扇子に由来しているのでしょうね。
皆様、お茶のお扇子をパチパチしていると怒られるかもしれないので、大きめの扇ぐお扇子でパチパチ練習してみてください、コツを掴めばいとも簡単に開きますよ。最初は痛んでも良いように安いお扇子で練習してくださいねぇ〜!

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