お知らせ・コラム

忙しかったのです

ご無沙汰しています(笑)
子供達の間ではインフルエンザが猛威を振るっているようで、学級閉鎖等が多いようです。皆様如何でいらっしゃいますか?
初釜が終わってホッとする暇も無く、三日間の真の茶事を催しました。
なかなかハードな1月です。スタッフ全員倒れなくて良かった〜!と思っていたら、孫6号が幼稚園でインフルエンザを貰ってきてしまいました。「茶事の時に罹っていたら回らない所だったのに、茶事が終わるのを待ってたかのように罹って、空気が読めて偉かったねぇ!」と大人全員から褒められました。40度も熱が有るのに褒められても!と怒っているかもしれません(笑)

真の茶事では精進料理なので、精進出汁を作るところから始めるのでハードです。
3日分の精進出汁は、大きな寸胴のお鍋に野菜を入れて旨みを出し、昆布、干椎茸、干瓢、大豆等其々旨みを出した物を合わせます。今回は2日、3日分の出汁は分けて冷凍しました。冷凍庫を買っておいて良かった!冷凍庫には普段の食品を入れると娘や妹分から怒られます。冷凍する物は仕事の物に限られています。なので普段は白味噌等が入っているだけでガラッガラなので、ちょっと普段の食材を入れたくなるのですが、怒られますからね(笑)我慢です。

向付  利休麩 からし
汁   牛蒡 からし
煮物椀 けんちん汁
焼物  ふろふき大根 柚子
香の物 沢庵等3種

娘がけんちん汁を使いたい!と主人に確認を取ったのですが、最初は「う〜ん、けんちん汁?」と渋っておりましたが、ご縁のある建長寺様発祥のけんちん汁だからまぁ良いでしょう!と許可がおりました。
ひょっとしたら諸説あるのかも知れませんが、昔、建長寺の小僧さんがお使いでお豆腐を買いに行きましたが、帰り道に小僧さんは転んでしまいました。お豆腐は無惨にも潰れてしまったのです。潰れたお豆腐も勿体無いので崩してお汁に入れました。それが建長寺汁、けんちん汁の始まりでした。今回は建長寺レシピ?で作ってみました。
銀杏切りにした大根、人参、蓮根、牛蒡、里芋(一口大)、蒟蒻(茹でて箸で突っついて穴を開け一口大に千切り、乾煎りする)、を胡麻油で炒めお酒を入れ、精進出汁、干し椎茸、レシピには無いのですが美味しいので油抜きした油揚げを入れアクを取りながら煮る、塩、醤油、味醂で味付けして煮て、最後に水切りした豆腐を崩しながら入れる。盛り付けたら茹でた大根の葉を天盛りをして出しました。

ふろふき大根は、実家で冬になると出ていて、私も冬になると食べたくなってよく煮るふろふき大根(実家の味はこっくりと濃いめの味です)を懐石風に少しアレンジして上品に味付けし、焼物ですから水分をちょっと取って焼いて焼き色を付け柚子を振って、お出ししてみました。初めて作ってみましたが美味しかったので安心しました。
輪切りにした大根を面取りし、精進出汁、砂糖、味醂、唐辛子で少し煮て、薄口醤油を入れて又少し煮て、味噌(懐石ですから、懐石用の赤味噌を使いました)を入れ煮て味を含ませます。それを焼いてみたのですが、美味しかったです。普通のおかずの時には、甘味をもう少し強くして、唐辛子も多めに、薄口醤油では無く濃口醤油(九州出身なので、どうしても関東のお醤油に馴染めなくて、濃口醤油は西の方のお醤油を使っています)、お味噌は田舎味噌を使って、コトコトと煮ます、焼きません(笑)実家のふろふき大根、寒くなると無性に食べたくなって冬には何回か登場します。

精進落としの二の膳は
向付  鯛 防風 山葵
汁   鰤 京人参 菜花 柚子
預鉢  海老 蕪 壬生菜 柚子
強肴  蟹 芹 聖護院大根 酢の物
八寸  公魚(わかさぎ) 蕗の薹(味噌漬け)
二の膳は精進では無い、昆布と鰹節の出汁が使えます。いつもの味でホッとしますね。

昨日、茶事の残り野菜等を使い切りました。茶事の後は残り物なのに豪華な食卓になります。
聖護院大根は大きいので、3種類のお漬物、サラダにして、余った出汁でのお鍋には、鳥の丸、壬生菜、菜花、芹、牛蒡、薄く切った聖護院大根、最後はご飯、卵を入れておじやに!美味しかった〜!
これでようやく茶事が終わった気分です。

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