お知らせ・コラム

川瀬忍展

このところ高齢者の車の事故がニュースになっていて気を引き締めなければ!と思う日々です。

駐車場の出口が坂道になっていてアクセルを強く踏んでしまった事故、私達年代は免許取得時まだマニュアル車しか無く、坂道だと後ろに下がってしまう可能性もあってドキドキしていました。父は運転がお世辞にも上手とはいえない人で坂道では必ず一回下がって発進していました(笑)私の運転に初めて乗った母が「坂道で一回下がらないでも前に進むのね」と言った位です、そんなですからみんな坂道はついついアクセルを踏み込んでしまう癖がついてしまっているのかもしれません。現在はオートマ車が主流で、坂道でもブレーキを踏むとアクセルを踏むまで停止してくれていますから楽になりました。歳をとって自分の運転を信じることが出来なくなった私は、今の車の2台前位から、つけられるソフトウェアは全て付けるようにしました、「まだ大丈夫だって!」と思っても危ないです!とピーピー警告音がしたり、ガコッとブレーキが掛かったり、信号をご確認ください!だの、「分かってるって!」と思うこともあり(結構しょっちゅう思います)、車に向かって「分かってるって!」と返事することもあります(笑)うるさくても事故を起こさない為には仕方ない!と思っています。よく高速を運転しますが、怖い思いもします。大きなトラックやバスにこそ基本的なブレーキなどの制御、衝突防止などの運転支援システムを義務化して欲しいと思っているのですが、難しいのでしょうか?

先日、日本橋 華蓮日本橋ビル6階の「中長小西」さんでの川瀬忍先生の個展「美曽手」に行ってまいりました。

数回のインドの旅で「やきものの原点を思い知らされた」、「自分にとってもっとも身近にある土をもって作品を作ること」が作陶の歴史を見てもらえる!と仰る忍先生が取り組まれた、「天地有用」の壺を、先生が憧れた!と仰る国焼きの茶碗を奥様のご実家の田圃(みぞで地区、相州曽我山の懐)の土で作られた作品は、力強さと繊細さを兼ね備えたなんとも不思議な、魅力的な作品でした。

忍先生が田圃の土の土作りに試行錯誤していらっしゃった頃、コロナ禍でお稽古も講習会も全てお休みをしていた私共の所に忍先生がわざわざ玄関にいらっしゃって「妻の実家の田圃の土を土作りしてみたんだけど、お暇だろうから何か作ってみたら!出来たら焼いてあげるから」と、小さな轆轤(ろくろ)、土を削る道具等、一式を持って来てくださいました。忍先生が手作りしてくださった大事な土を無駄にできない!と主人は削った土も、手を洗ったバケツの底に溜まった土ももう一度練り直してだんだん小さな物を作って、最後は削らなくても良い箸置きを作っていました。

忍先生が、その頃から試行錯誤をなさって、「造形による変遷」「あこがれの変化」を感じられながら作られた作品を是非見にいらしてください。心が温かくなります。

26日土曜日までです。

宗香

 

 

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