昨日は御弟子さんが持って来てくださった、お手作り(どうもご主人様のお手作りのようですが❣️)のバジルソースをパスタにして、今日は日除けに植えているゴーヤと庭に出ている紫蘇の葉を収穫してペペロンチーノ風に、自然の恵みを有難く頂戴しています。何よりこの暑い中お買い物に行きたくない私はとっても助かっています。
葉蓋に使う梶の葉が使えるような大きさになったので、夏の点前のお稽古をしています。
平茶碗にたっぷりと水を張って涼しさを、梶の葉を水指の蓋にして爽やかさを感じていただく、洗茶巾や葉蓋は夏ならではの点前で、この極暑にオアシスのように感じられます。
名水点も清々しいので夏にする事が多いですね。朝、鳥が飛び立つ前に名水を汲んできて、釣瓶に入れ注連縄(しめなわ)をかけて有難くお水を頂戴します。
注連縄の御幣(ごへい)、幣(ぬさ)は汚れるので、うちではお稽古ごとに女物の懐紙で作り替えて縄にはめて使います。右向き3枚、左向き3枚作って縄にはめていきます。
これは何て言うんですか?と聞かれて、御幣(ごへい)とか幣(ぬさ)とか言いますけどね。と答えていて、秋の歌だけど、菅原道真の
「このたびは 幣(ぬさ)もとりあえず 手向山(たむけやま) 紅葉のにしき 神のまにまに」
が頭に浮かびました。
菅原道真が宇多上皇の御供で吉野に赴く時に詠んだ歌だそうです。
今度の旅は急に行くことになって、幣(ぬさ、神に捧げる供物、色とりどりの絹、麻、木綿、紙、を切って幣袋に入れて持参して道祖神の神前で撒いて用いた!と辞書に)を用意する暇もなかったので、道祖神には手向山の紅葉を捧げるので、神様、お心のままにお受け取りください!
という様な事だそうです。
手向け、國學院のデジタルには、神に幣を手向ける行為、特に旅の安全を祈るもの、旅の安全祈願を詠む歌が多い!とあります。旅が無事に終えて、愛する家族や恋人に逢いたい!恋しい!と思う歌にもたむけ!という言葉が使われている様に思いますがどうなんでしょう。
御幣(ごへい)は今でも神社に行くと御幣でお祓いしてくださいますよね。
お嫁に来てびっくりしたのですが、この辺りではお葬式の後、初七日の精進落としの時に、長老が割り箸に御幣を挟み各テーブルをお祓いして廻ってくれます。そういうこの土地だけの習慣も無くなってきています。
お嫁入りの時、私の直前(直前といっても10年以上前だった様ですが)に地域にお嫁に来られた方に手を引かれて、花嫁衣装のまま地域の主だった家に「小澤さんの所にお嫁に来られた香代さんです」と挨拶にまわりました。けっこう遠くまで歩かされた記憶があります。着物には慣れていたとはいえ、白無垢の花嫁衣装ですから大変でした。
こういう地域独特の習慣もだんだん忘れられるのでしょうね、私達世代で終わりになるのも少し残念な気もします。