お知らせ・コラム

口切、夜咄

小雪も過ぎ寒〜かったり、暖か〜かったりで、体調は如何でいらっしゃいますか?

今月に入って道を走っていると、各地域の神社に酉の市開催のお知らせが目に付きます。今年は三の酉まであって、5日、17日、29日なので29日の酉の市にはまだ間に合いますね。

熊手は年々少しづつ大きな物を飾る!と聞いた事がありますが一番大きくなったらどうするんでしょう?私は買った事がないので心配する事はないのですが(笑)

酉の市の幟を見かけると、もうすぐお正月だなぁ!と感じます。

11月は口切の茶事2日、夜咄の茶事3日、とハードな月でした。

毎年行っていても、茶壷の口を切り、新鮮な青の碾茶(てんちゃ、臼で挽く前の茶葉)を目にすると「あぁ!今年も無事に新しいお茶が飲める」と嬉しくなります。

使う道具も、懐石(献立は会員の方専用ページに載せます、多分娘が。。)もおめでたい趣向で、気持ちも新たになります。

夜咄は、寒い中で和蝋燭の光やたっぷりとした火鉢等の暖かさを楽しむ、ちょっと非現実的な茶事で、クリスマスの光とはまた違った光の美しさです。和蝋燭は時間が経つとゆらゆら揺れる炎が大きくなりますし、短檠(たんけい)や行燈(あんどん)の灯心の光も独特です。

和蝋燭は火が大きくなると芯を切って火を小さくします、火を消す時には、必ず芯切りを使って火を消してくださいね、吹き消すと蝋が辺りに飛び散って悲惨なことになります。どうして知っているか?昔、和蝋燭を吹き消して(これが息ではなかなか消えない、なので必死でフーフーしてしまう)、辺り一面、壁から畳まで蝋だらけにして怒られた経験があるからです(反省)

灯心も中立の時に灯心を掻き立てて明るくしておきます、その為に黒文字が置いてあります、物語り等に「灯心を掻き立てて」と書いてあっても、夜咄の茶事をするまではその感覚が分からなかったのですが、本当に灯心を掻き立てると辺りがぱぁ〜っと明るくなります、この感覚が又素敵!

灯心は藺草の髄なので、そ〜っと扱わないと切れてしまいます、大雑把な私はなるべく触りたくありません、主人に任せています(私が扱って切れてしまって主人に文句を言われるのも面倒ですし(笑))

生駒郡安堵町では、灯心ひき技術(藺草から髄を取り出す技術)を後世に伝えていく為に講座を開催されたりしているようです。

茶事で必ず使う円座、その円座の種類の讃岐円座(香川県高松市円座地区で作られていた菅で編んだ円座)のように技術が瀕死の状態になっている技術もあります、茶道だけでも途絶えてしまった技術が多くあります、こういう技術を一つでも多く後世に残す努力をしていかなければいけないですね。

宗香

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