主人は昨日三日間の宇部教室から帰って参りました。
宇部教室の皆様、お世話になりました。有り難うございました。
私は三日間自由な時間を過ごさせて頂きました。撮り溜めていた映画やコンサート等ゆっくりと見ることができました。チューダー朝ヘンリー王の王妃のドラマも最後まで観られましたし、大好きなピアニスト、清塚信也さんのウィーン楽友協会での演奏、それもなかなか聴けないウィーンのベーゼンドルファーのピアノで、日本での演奏はスタインウェイやヤマハが多いので、ベーゼンドルファーのピアノはどんな音が出るのだろう?聴きたいなぁ!と思っていたので嬉しくなりましたし、シェーンブルン宮殿でのウィーンフィルのコンサート、ベルリンでのベルリンフィルによるワルトビューネコンサート、寝る間も惜しんで見てしまいました(笑)ので、喘息が悪化してしまってお隣りのかかりつけ医で追加のお薬をもらって来ました、自分でもなんと馬鹿なことを‥‥と反省しております。
一番感慨深く観たのが、杉原千畝さんの映画、ナチス・ドイツによる迫害で逃げて来た難民に、日本本国の反対を押し切って、ギリギリまでリトアニアで大量のビザを発給し避難民を救った方です。奥様も素晴らしい方だったのですね。太平洋戦争敗戦後、朝鮮半島でも、日本軍が一般人を置いて撤退する中、一般人を今の38度線から脱出させた人物(松村義士男)が居たと最近知りました。戦争の馬鹿バカさ加減が身に沁みました。
私の大伯父は裁判官でしたが、戦争中は何処だか占領地の捕虜収容所の所長をしておりました、当然の事、戦後戦犯になってしまったのですが、大伯父が所長をしていた収容所に入っていた捕虜の方々が「岩崎の捕虜への処遇は他とは違った、助けてくれる様に」と署名活動をしてくれて、嘆願書が通り命は助かった!有り難かった!と話しておりました。朴訥な私にはとても優しい大伯父で、私は皆が認める、大伯父お気に入り香代ちゃんでした。そういう優しい人も戦争中は自分を殺して鬼になって、でもどうにか少しでも心に残っている正義を全うしようとしていたのだろう!と思うと苦しくなります。戦争は嫌ですね。
そうそう、パニックの話でした。
真のお稽古をいたしました、社中は朝来てから何のお稽古をするか知るのです(笑)真台子が出ていると皆さんギョッとなさる様です(笑)台子が出ていても薄茶や濃茶の時もありますし、真のお点前の時もあります。先日は真のお稽古でした、社中は真!と聞いた途端パニックになってしまいます。分かっているはずの事も頭が真っ白になって、頭から飛んでいってしまうそうです。茶道では、パニックを起こさない様に訓練?修練?図々しさ?諦め?覚悟?を身につける事も修練の一つだと思っているのですが、そう言っている本人がまだまだ覚悟できていないんですからしょうがないですね。白鳥の様に水の下で必死に水を掻いていても、水の上では優雅にできると良いのですが、それには修行が足りません。
あまりに押さえつけると病んでしまいます。病んでしまった経験のある私には、そこの所の匙加減が修行なんだなぁ!と思います。適当にパニックになったり、適当に我慢したり、適当に諦めたり、適当に覚悟したり、何でも良い意味での適当が大事だと思うのです。
勿論、点前の順序、綺麗さ、身の処し方、其々の学問も大いに大事です、覚える事も、修行する事も多すぎて一体どうしたら良いの?と思うことばかりですが、適当に自分なりにやっていくしかないかなぁ(笑)でも、怠け者の私、良いやぁ!と思うとズルズルッと楽な方へ引きずられてしまいます、時々社中に頑張んなきゃ!それじゃ駄目でしょ!と話しながら、自分に同じ言葉を返しています。
茶道は奥深くて、先は真っ暗な所もありますが、取り敢えず、光が見えている所まで進むしかないですね(笑)何処まで進めるんだか?
宗香