お知らせ・コラム

これが普通?

オルネラ・ブァノーニの「逢いびき」、ジリオラ・チンクェッティの「VUOI」が使われている映画を観て、久し振りにイタリアポップスやカンツォーネを聴きたくなって、二人の曲を流しながら懐かしい想いでした。良い音楽はいつまでも良いですね。逆に今の音楽、ゴスペルのドキュメンタリー映画を観て、ファレル・ウィリアムス(有名なアーティストなのですね、知らなかった!)を知り、彼の音楽も素敵だなぁ!と思いながら聴きました。どんなジャンルも素敵なものは素敵です。

風炉の時期になってもう一月、早いですね。お稽古の皆様も漸く炉の点前から脱却して、風炉の点前にも慣れてこられたようです。

薄茶濃茶の平点前から始めて、小習いの稽古をしました。

点前によって棚を据えたり、外したり、結構忙しいです。

3ヶ所でお稽古しますから棚も3つ、時季を考慮したりその日の科目に使い易い棚を考慮して出します。

今回その一つに玄々斎好の更好棚を出しました。教本には「当初は桐木地のものでしたが、禁裏(きんり)に献上する為、黒掻合わせ塗りで爪紅(つまぐれ)とし、更に好み替えられたところからの名称です。玄々斎は永楽保全に祥瑞水指を造らせ、取り合わされました。」と書いてあります。

よく使われる棚なので、社中でもこの棚が特殊だと思わないで使っていらっしゃる方がいらっしゃいます。私から「この棚は特殊な扱いですからね!」と念を押されます。

最後の荘り付けが、普通の二重棚は柄杓蓋置が天板、薄茶器が中棚ですが、更好棚は反対、天板に薄茶器、中棚に柄杓蓋置を荘ります、なので更好棚は特殊なのですよ!と説明していたら、主人が「無限斎好の千歳棚もね!」と補足が入りました。千歳棚は千の字の様に、天板が狭く中棚が広くなっているので、広い中棚に柄杓蓋置を、狭い天板に薄茶器を荘ります。

更好棚や千歳棚が特殊な扱いだと認識して使ってね!と私からその度に言われるので、社中は耳にタコができているかもしれませんね。

普段使っていて特殊だと思わないものの一つに、出炉の五徳、普段の出炉の五徳は檠爪(五徳の一つの爪、一つの爪だけちょっと形が違ったりする五徳も有りますね)が短檠(たんけい、短檠は点前座から見て炉の左側に置かれます)の方に向いています、そっちに向いているので檠爪。なので正面から見ると炉の五徳の二本の爪は斜めに向いています。これも、出炉の時だけですね。他の向切や隅炉、風炉の五徳は正面に二本の爪が有ります。

普段当然の様に使っているものですから、おかしいと思わずに使っていますよね。でも、特殊だった!と思うと面白いです。

あっ!これは裏千家の話です。

 

 

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