お知らせ・コラム

怒涛の五月

四月の後半から茶事や茶会で忙しいのに、その合間を縫っていつもの幼馴染旅行にも行き、仕事も遊びも充実(笑)していましたが少々体が悲鳴を上げています(笑)
その間に、東大寺様の柳絮(りゅうじょ)の事や、太陽フレアによる障害を心配したり、太陽フレアによって活発になったオーロラを私の大好きな星空写真家KAGAYAさんが青森で撮ってくださった写真に感動したり、オーロラ騒ぎの最中に漁火光柱という素晴らしい光が有る事を知ったり、書きたい事はいっぱいだったのに‥‥気力が‥‥気力は随分回復しつつありますし、身体も回復傾向にありますし、又頑張りましょう!

旧蔵茶会も無事に終わりました。多くの皆様にいらしていただいてとても嬉しく幸せでした。
蔵印が押され収まっていた番号等が書かれた箱を見ていると、前回書いた様に亭主が蔵に入って「此処にこれが有るけれど今回はこれを使おうか?いや、こちらの方が良いだろうか?」と楽しみながら、苦しみながら道具組をなさっている光景が浮かんできます。
旧蔵と言われる様なお蔵とは比べ物にならない小さな誠之庵の道具置き場でも、主人が何時間も悩んでいる様子を目にします。楽しんでいるのやら苦しんでいるのやら、もう少しこういう道具が欲しいのに!と思っているのやら(笑)と私は楽しんで見ながら、何か欲しくても買えないんだからね!経理の娘に言ってごらん怒られるから(笑)と心の中で思っています。

幕末から明治の官僚、政治家の郷純造男爵旧蔵 南蛮の花入
関戸家縁戚のお家の鎌倉彫宝珠の香合
銀座の旅館 高橋家旧蔵 高麗青磁の水指
毛利家旧蔵 瀬戸肩付
薮ノ内家旧蔵 大心義統和尚 銘福徳 茶杓
黒田家旧蔵 御本茶碗

酒田酒井家旧蔵 祥瑞花入
米倉昌言子爵旧蔵 唐物磁州窯 弦付
栗田元竹旧蔵 又玄斎一灯作 銘五粒 茶杓
小林古径旧蔵 不昧箱 古萩 神奈月時雨るままに 小倉山 したてるばかり 紅葉してける

銀座の高橋家はお弟子さんの御実家です。お話を伺うと、とても素敵なお父様とお母様でいらしたようで、今では考えられない様なお父様の武勇伝をお聞きしています。お家を継ぎたくなくて考えられない様な要求をご両親にして諦めてもらおうとしたらその要求が通ってしまって仕方なくお家を継がれたとか、鑑賞陶器がお好きで素晴らしいお道具でお茶漬けを召し上がっていらしたとか、若い芸術家のパトロンをなさっていたとか、綺麗なお母様がご自慢で銀座の街をよくお二人でお散歩なさっていたとか、素敵な方だったのですね。

米倉昌言(よねくらまさこと)子爵は六浦(横浜金沢八景の近くらしい)藩の藩主で横浜では唯一の大名だったとの事、調べていると平塚も六浦藩の飛び地だったようですが、知らなかったなぁ!
楽しい茶会でした。

実は四月の半ばに大事な茶友が亡くなってしまいました。あまりにあっけなく、知らせを聞いた時も今でも信じられず、涙を流す事もできず、そんな1ヶ月以上を過ごしています。そんなに会える訳でもないけれど1年に一、二回会ってお酒を呑みながらお茶の話しをするのが定番でした。明るくて元気で、会うと、さぁ!又頑張るか!と思わせてもらえて元気をもらえる大事な友人でした。まだこれからずっと一緒に茶道に邁進していける!と思っていたのに‥‥まだまだやりたい事が沢山有ったはずなのに!その無念さは心に残り続けますが、こうして私達が楽しく苦しみながら茶道を続けていく事が、彼女に対しての供養だと思っています。貴女がもっとやりたかった茶道!頑張ってやっていくからね。向こうで見ててね。向こうで会ったら「結構頑張ったじゃない!偉かったね」と言ってね。これを書きながらようやく涙が出てきました。

                宗香

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