お知らせ・コラム

後祭り山鉾巡行

大暑です、暑いです、ゲリラ豪雨も頻繁に起きています、熱中症も多くて、コロナの感染者も多くて、一体どうなっているのでしょう?皆様、大丈夫でいらっしゃいますか?気を付けましょう。

本日は土用の丑の日、私達夫婦は先週早々と鰻を食べました。大好きな神楽坂の志満金さんの鰻、お店に伺うとなると車を駐車場に入れなきゃ!等々考える事が多くて、ある時淡交社さんの講座に伺った時に出前をお願いしてみましたら、出前しますよ!という事で出前していただきました。この頃は、淡交社の文化事業部の方が「そろそろ鰻の時期ですね、電話かけておきましょうか?」と聞いてくださるようになりました(笑)たまには贅沢しても良いよね!と主人と話しながら(笑)いつもの美味しい鰻をいただきました、幸せでした。

本日は祇園祭の後祭り山鉾巡行の日です。前祭の巡行はテレビなどでも話題になりますが、後祭りの巡行はあまり話題にならなくて、テレビなどでも映らないので残念です。

祇園祭の山鉾は一つ一つテーマがあって、テーマには中国の故事、日本の故事があって、そのテーマを考えながら見ていくと楽しいです。

「くじとらず」で毎年巡行の先頭にたち、唯一生稚児が乗り、疫病邪悪をはらう大長刀を付けた「長刀鉾」、知恩院の小鍛冶の井戸は三条宗近作の長刀鉾に飾られていた長刀を鍛える際に使われたとか。

孟嘗君が鶏の声によって函谷関を脱出した故事による「函谷鉾」

町内に有る井戸、菊水井に因んで名が付けられた「菊水鉾」毎年お茶席を開催してくださっていて、菊慈童にちなんだ和菓子「したたり」を出されます。と書いているとなかなか大変なので、皆様調べてみてください、楽しいので。

神功皇后が戦の行方を占う為に鮎を釣られた(2021/06/08の鮎のコラムに詳しく書いています)姿を表している「占出山」、その戦に出陣する船を表している出陣船「船鉾」、後祭に巡行する戦に勝って凱旋する船を表している凱旋船「大船鉾」、この三つの山鉾で一つの物語が出来上がっているそうです。そうやって見ていくと感慨深いものがあります。

孟宗竹の由来の孟宗を戴く「孟宗山」、一度コラムにも書いた琴の弦を切った話の「伯牙山」、荘子の「蟷螂(とうろう)の肘を怒らして以て車轍(しゃてつ)に当たるが如き」や、「蟷螂が斧を以て隆車(りゅうしゃ、大きな車)に向かう」の諺もあって、大きな動く蟷螂(カマキリ)を載せた「蟷螂山」、等々、楽しいですね。

誠之庵の庭にも花盛りの「ヒオウギ」は、宮中で用いられた木製の扇、檜扇(ひおうぎ)、衵扇(あこめおうぎ)と似た葉なのでその名が付いて、扇と同じように厄除けの植物とされて、祇園祭の「祭花(まつりばな)」とされ、其々の家に生けられているそうです。

そうそう!今年の巡行では車輪が突然壊れて道の真ん中?少し端?で動けなくなった「鶏鉾」の横を、山鉾の中で一番大きく重たい「月鉾」が抜かそうとする、滅多に見られない場面が有りました。両鉾の大工方、屋根方(やねかた、巡行を見るたびにあの屋根の上に乗ってる人たちは何してるんだろう?乗ってる意味ってあるのかなぁ?と思っていた方達です、狭い道を進む時などは屋根がぶつからない様に活躍なさるのですね、すみません)の方達が、ぶつからない様に屋根の間を見ながら足や身体で押したり引いたり、曳き手(ひきて)の方達もソロソロと後ろにさがったり、前に出たりしていらっしゃいました。横を通り過ぎた時には思わずテレビに向かって拍手してしまいました。その間、途切れることなく鉦(かね)や笛、太鼓の音の祇園囃子(ぎおんばやし)「コンチキチン」が両鉾から何事も無いように鳴っていました。この祇園囃子のように諦めずに頑張らなきゃ!と思いました。

 

宗香

 

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