お知らせ・コラム

第14回 誠之会 美術ツアー

第14回 誠之会 美術ツアー 中国ー12

青磁の旅  龍泉窯・越窯

ある意味茶の湯の発祥は室町時代と言ってもおかしくはないと思います。(もちろん精神を追求するというお茶の確立は千利休の時代になるとは思いますが)その室町時代に盛んに床の間をはじめ書院の設えとして欠かすことのできなかった道具の一つに唐物である青磁があります。日本ではまだ磁器ができなかった時代、中国からもたらされた貴重な品物でした。

その青磁の多くは中国浙江省にあります龍泉窯産のものでした。地理的に近く、輸入するにも便利だったという理由もあるとは思いますが、とりあえず日本の国宝に指定されているやきもの三点の花入はすべて龍泉窯のものです(有名な茶碗の馬蝗絆も)。また時代での分類に砧青磁、天竜寺青磁、七官青磁という言い方がありますが、これもすべて龍泉窯のものを指しています。

そして龍泉窯よりももっともっと古い青磁の歴史があるのが越(州)窯です。
古越磁と言われるものから、昨年訪ねた西安の法門寺の塔の地下から発見された秘色青磁も実は越窯のものです。こちらも浙江省にあります。
今回はこの2か所とも訪ねますが、さらに南宋時代に官窯があったことは周知の通りですが、その南宋官窯の窯址も発見されていますので訪ねてみたいと思います。誠之会では2008年に皆様とこれらを訪ねましたが、あれから6年が経ちます。そして今回は本年と同じく中国陶磁が専門の学芸員の中澤富士雄先生が随行下さいます。また特別参加希望として青磁の作家として有名な川瀬忍先生も御一緒下さいます。お二方との調整がありましたので、早めに予定を立てさせて頂きました。

そして今回も川瀬忍先生の希望から龍泉窯の中の渓口窯(けいこうよう)という特別なもの(黒胎青磁)を焼いたといわれる所へも行くことができるように、すでに中国の博物館の許可をもらいました。ほかにもいくつかの窯へも行くことができます。楽しみですね。
さらに天目茶碗の中の最高と言われる曜変は現在世界に3点といわれており、それがすべて日本にあり、すべて国宝になっています。つまり中国産でありながら中国には一つもないということになります。なぜだろうと思っておりますが、実は近年、の杭州の皇城といわれる南宋時代の遺跡から何と偶然、曜変が発見されました。大きく割れていはいますが、三分の二程は継ぎ合わせた状態で実在しているそうです。皇帝のもとに曜変があったという証拠にもなります。研究者でも見た方は少ないと思いますが、今回特別に拝見できるようにこちらもすでに許可はもらっています。(茶道関係者では見たことのある人はいないのではないでしょうか。実際に拝見できるかどうか、あとはタイミングだけです)

そして観光も入れました。浙江省には寧波という昔からの貿易港があります。その近くに宋時代に五山といわれた寺院があり、日本の栄西禅師や道元禅師が修業に行った天童寺や阿育王寺がありますので折角ですので行ってみましょう。骨董街、博物館などなど盛りだくさんのツアーです。
そして中澤富士雄先生に勉強会を兼ねて2月23日(日)ご講演いただきますのでツアーに参加できる方もできない方も予定に入れておいて下さい。
今回もより有意義な機会にしたいと思い計画させて頂きました。

今回も普通の観光旅行では行けない所です。他にご希望がありましたらお知らせ下さい。
お茶を楽しんでいる方々は多いとは思いますが、このように中国の窯を実際に見ることのできる機会はそんなにないと思います。

seiji

・日時  2014年3月14日(金)~20日(木)   6泊7日 
・経路 成田~杭州~慈渓(1泊)~寧波(1泊)~龍泉(2泊)~杭州(2泊)~成田
・隋行講師 中澤富士雄 先生(たましん歴史・美術館学芸員副館長 中国陶磁が専門)
               (元 大阪市立東洋陶磁美術館・戸栗美術館 学芸員)
・特別参加希望者 川瀬忍(陶芸家・中国陶磁器研究家)(大磯在住)
・団長   小澤宗誠(誠之会として訪中団を組みます)

○取り合えず参加のご意志が決まりましたら早めでも結構です御一報下さいませ。
(キャンセル料の発生は30日前からです)

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